ある人の死。
昨晩、お風呂から上がって化粧水を塗っている時、
askimが
「ねぇ、オーカンって知ってる?あのネバーハット小母さんの。」
ネバーハット小母さんはアンネの勤め先の小母さんで、いつも歩いて遊びに行っていたので家も知っているし、もちろんその息子さん達やその家族までみんな知っていました。なので答えはもちろん、
ウチ 「知っているょ~。あのオーカンでしょ。」
「その人がどうしたの?」
askim「...昨日ヘリコプターが落ちて死んだ・・・。」
「へ?」うちは、訳が分からず一体何のことかとあっけにとられていると、
askim「さっきトルコのニュースでやってた。。。写真も出てるから間違いないと思う。」
急いでPCで確認してみると、そこには見慣れた顔が。。。
あのオーカンだ・・・。
17日トルコのニュースでは、金曜の朝アフガニスタンで任務に就いていた国際治安支援部隊に所属するトルコ兵が乗ったヘリコプターが民家に墜落。トルコ人兵12人と市民2人が犠牲になったとあり、特に墜落の原因には触れられていませんでした。(ネットで見ている分では未だに詳しく公開されていないけど、ヘリコプターの技術的トラブルだとされているみたいです。)
12人のうち地元オルドからの殉職者は2人。そのうちの1人がオーカンだった。
PCで写真まで公開しているけど(本人のものと家族で写っている家の写真)、それでも信じられなくて服も着ずにアンネに電話。なかなか出ずにやっと出たかと思ったら、別人の声。それはアンネのもう一つの勤め先のファトマ小母さんで、その声を聞いてオーカンの死が本当だったと悟りました・・・。
どうやらネバーハット小母さんの家にはたくさんの人たちがお悔やみを言うために訪れていたようでニュースで報道されてから半日で100~200人以上いらしていたそうです。おそらくアンネは連絡を受けた時から一晩一緒に過ごしていたんでしょう。オーカンを小さいころから知っているので声の様子からあまりの悲しみに憔悴しきっていました。
ネバーハット小母さんは昨年姉を心臓病で亡くしました。実は他の兄妹や両親も心臓病で亡くしていて本人も、姉を亡くした悲しみで心臓に負担がかかってしまい姉の死から数カ月後心臓の手術を乗り越えていました。息子さんは3人。旦那さんのハーリース小父さんは前の奥さんを亡くしてからネバーハット小母さんと再婚し、オーカンを産んでいます。長男ヴォルカン、ギョックハン、そして末っ子のオーカン。そう、ネバーハット小母さんの息子は3人いましたが、ご自身が出産したお子さんはオーカンただ1人で、その最愛の息子を今回亡くしてしまったのです・・・。
オーカンは実はうちと同い年でタメ口で話せる数少ないトルコ人でした。偶然にもうちらと同じぐらいの時期(2年半前)に結婚していて子供はいませんでしたが、軍人ってどんな感じなの??とか日本人って本当に2本の棒だけでお米を一粒ずつ食べるの??とか初めてあった時には初めてとは思えないくらい砕けて話せました。奥さんも可愛らしい人でトルコを離れる1週間前に知り合っていました。結婚式の様子など写真で見ていたので写真のまんま黄色が似合う方です(結婚式で黄色のドレスを着ていた)。
アンネにも何と声をかけて良いのか分からず、「Başnuz sağolsun diye soylebilirmusun」としか言えませんでした。ネバーハット小母さんは昔銀行員をしていたからかとても礼儀正しくて、いつも身の回りを綺麗にしていたし、手術後も心臓へ移植した血管を取り出した腿からクルブシまでの跡が痛々しかったんですが、気丈に振る舞いわずか2カ月後にはお客をもてなすまで回復していました。
そんな矢先の最悪のニュース。
ハーリース小父さんは昨晩の便で遺体が移送される首都アンカラへ出発。月曜はアンカラにて国の葬儀、火曜にはオルドに着く予定だそうです。ババに電話した時に聞いたんですが、遺体は墜落の衝撃で炎上しバラバラになってしまっているそうです。。。朝に事故が起こり、その日の夕方には両親に連絡がいったそうです。それを告げたコムタンもどれだけ辛かったんだろうと考えると胸が痛くなります。トルコの首相エルドーアンからも各遺族へお悔やみの電話がいったそうです。
偶然にも今日(3月18日)はチャナッカレの戦いが始まった日らしく、また殉職者が出てしまったことにトルコ全体にも悲しみが広がっているんではないかと思います。
今年に入ってババアンネの兄妹が亡くなったり、askimの体調が悪くなったり、オーカンの死の知らせを聞いたりとあまりいいニュースを聞かないので、すぐには良くならないかもしれないけど、悲しみに包まれた皆さんの凍った心が溶け、安らかになることを心からお祈り申し上げます。


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